ツマグロヒョウモン~珍しい?生態写真や見分け方、生息地、食草、越冬、亜種などを解説~

タテハチョウ科

ツマグロヒョウモンは本州、四国、九州、沖縄で最も普通に見られるヒョウモンチョウ類の1種です。元々は南方系の蝶ですが、1990年代から分布を広げて、現在では関東でも多くの個体が生息しています。

この記事では、これまでに観察したツマグロヒョウモンの写真を紹介します。

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ツマグロヒョウモンの紹介

分布本州、九州、四国、沖縄
生息環境平地、山地
発生回数暖地では年4回~周年
成虫が見られる時期4月から11月頃
越冬の状態幼虫で越冬
食草スミレ科
亜種なし

マグロヒョウモンは本州、四国、九州、沖縄で最も普通に見られるヒョウモンチョウ類の1種です。 平地から山頂まで様々な環境で見ることができ、また、成虫が4月頃から11月頃までと長い期間観察できます。

元々は南方系の蝶ですが、1990年代頃から徐々に分布を北へ広げており、現在では中部地方や関東地方で最も普通に見られるヒョウモンチョウ類の蝶となりました。東北地方でも稀に目撃されることがあり、宮城や山形、秋田、岩手で採取例があります。北海道でも1950年代から60年代にかけて採取例が報告されています。

日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているツマグロヒョウモン

1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。ここに記載されているツマグロヒョウモンを紹介します。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

美なる種にして翅の外縁殊に後翅外縁の鋸歯深きを以て他と別し易し。表面は一般に鮮黄赤色にして黒紋多し。裏面に於て前翅の大半は赤黄色を呈し、前角は黄色なり。後翅は黄色にして數多の草色紋を有す。各紋は黒く縁付けられ其間に銀白紋あり。雌は雄よりも大く青黒色多く殊に前翅前半は黒くして其中央に大白斑を有す。

●期節 三月-七月

●産地 本島、四国、九州、琉球(大島、八丈島)

●仔虫 天鵞絨黒色にして濃橙黄色の背線を有す。棘毛は分支し、一部分は黒く、餘は暗赤色なり。側面には蒼白色の不規則なる線あり。すみれ類を食す。蛹は淡褐色に暗色の模様を有す。頭は二短角状をなす。胸部下面の各節に金色點あり。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
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ツマグロヒョウモンの見分け方

ヒョウモンチョウ類を判別する時、もしヒョウモンチョウを見つけた場所が都会の公園や民家などであれば、ツマグロヒョウモンの可能性が高いと言えます。稀に都心部でもミドリヒョウモンやメスグロヒョウモンなどが見られることがありますが、かなり高い確率でツマグロヒョウモンです。

ヒョウモンチョウの見分け方を一覧でまとめます。以下の画像をご覧ください。

ヒョウモンチョウの見分け方

ヒョウモンチョウの見分け方は以下の記事で詳細に解説しています。こちらも併せてご覧ください。

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ツマグロヒョウモンの写真集

2008年6月6日に東京都文京区で観察したツマグロヒョウモン(左が♂、右が♀)
2016年9月25日に東京都練馬区で観察したツマグロヒョウモン♂
2017年8月27日に東京都文京区で観察したツマグロヒョウモン♂
2017年8月27日に東京都文京区で観察したツマグロヒョウモン♀
2017年8月27日に東京都文京区で観察したツマグロヒョウモン♀

ツマグロヒョウモンは♂と♀で模様が異なる蝶です。♂は翅の先端に黒い模様がありませんが、♀は黒色の模様があります。また、♂よりも♀の方が大きいのも特徴です。

ツマグロヒョウモンの♀によく似た模様の蝶として、カバマダラという蝶がいます。カバマダラは胴体に毒を持つ蝶で、天敵である鳥からの捕食を防いでいます。ツマグロヒョウモンは胴体に毒を持っていませんが、カバマダラに擬態することで、鳥からの捕食を防いでいると考えられます。

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