【アゲハチョウの蛹】見分け方や期間や日数、寄生されている割合~キアゲハやクロアゲハとの違い~

蝶の幼虫

アゲハチョウが蛹(サナギ)になってからなかなか羽化しない。。。生きているか心配。。。

蛹(サナギ)は動かないので生きているか心配になることがあります。実際、蛹の状態で死んでしまっていたり、寄生されていることもよくあります

アゲハの蛹を見つけたけど、これがアゲハチョウなのかクロアゲハなのか、それ以外のアゲハの蛹なのかわからない。

こういった疑問を持つ人も多いと思います。

この記事では、実際の飼育記録をもとに、アゲハチョウの蛹の見分け方や羽化するまでの期間、寄生されている割合などについて解説します。

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蛹が羽化するまで

蛹が羽化するまでのステップは以下の通りです。

【ステップ①】幼虫が前蛹になる。

【ステップ②】前蛹が蛹になる。

【ステップ③】蛹が羽化して成虫になる。

【ステップ①】前蛹

蛹になる直前の状態を前蛹と言います。前蛹になると体が小さくなり、しわしわの萎んだ状態となります。

アゲハチョウの前蛹

前蛹になって1日程度経過すると、脱皮をして蛹になります。

脱皮をするアゲハチョウの前蛹

【ステップ②】蛹

前蛹の脱皮が完了すると蛹になります。蛹は緑色と茶色のどちらかの色になります。

アゲハチョウの蛹

蛹になって1週間から10日程度経過すると、徐々に黒くなってきます。羽化直前には、翅の黄色と黒色の模様が透けて見えるようになります。そうなれば羽化は間もなくです。

孵化する直前のアゲハチョウの蛹

【ステップ③】羽化

蛹になって1週間から10日程度経過すると、羽化が始まります。蛹の上部が割れて成虫が出てきます。翅を伸ばしきるまで、30分程度かかります。

羽化直後のアゲハチョウ
蛹から飛び出した直後のアゲハチョウ
翅を伸ばすアゲハチョウ

無事に翅を伸ばすことができれば羽化が完了です。

翅を伸ばしきったアゲハチョウ
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アゲハの蛹の見分け方

ここでは、町中で比較的よく見るアゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハの幼虫の見分け方を紹介します。

アゲハチョウ(ナミアゲハ)の幼虫の見分け方

アゲハチョウの蛹は緑色か茶色のどちらかの色になります。以下の写真の蛹は緑色の蛹です。

蛹になった直後のアゲハチョウの蛹

羽化が近くなるとアゲハチョウの蛹から翅の色が透けて見えるようになってきます。翅の色が見えるようになってくると、間もなく羽化が始まります。

孵化する直前のアゲハチョウの蛹

羽化した後のアゲハチョウの蛹の殻です。羽化した時のアゲハチョウの液体状の不要物が蛹のお尻の部分溜まっています。アゲハチョウは蛹の上部から出てくるため、上部が破れています。

羽化後のアゲハチョウの蛹

キアゲハの蛹の見分け方

キアゲハはアゲハチョウの蛹と比較して黄色味が強い蛹になります。以下の写真は蛹になった直後のキアゲハの蛹です。

蛹になった直後のキアゲハの蛹

羽化が近くなるとキアゲハの蛹から翅の色が透けて見えるようになってきます。翅の色が見えるようになってくると、間もなく羽化が始まります。

孵化する直前のキアゲハの蛹

羽化した後のキアゲハの蛹の殻です。羽化した時のキアゲハの液体状の不要物が蛹のお尻の部分溜まっています。キアゲハは蛹の上部から出てくるため、上部が破れています。

羽化後のキアゲハの蛹

クロアゲハの蛹の見分け方

クロアゲハの蛹はアゲハチョウやキアゲハと形状が異なり、強く弯曲(反り返る形)します。また、角が2つに分かれることから見分けることができます。

蛹になった直後のクロアゲハの蛹

羽化が近くなるとクロアゲハの蛹から翅の色が透けて見えるようになってきます。翅の色が見えるようになってくると、間もなく羽化が始まります。

孵化する直前のクロアゲハの蛹

羽化した後のクロアゲハの蛹の殻です。羽化した時のクロアゲハの液体状の不要物が蛹のお尻の部分溜まっています。クロアゲハは蛹の上部から出てくるため、上部が破れています。

羽化後のクロアゲハの蛹

アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハの見分け方まとめ

アゲハチョウとキアゲハの違いアゲハチョウとクロアゲハの違い
キアゲハの方が黄色味が強いクロアゲハの方が弯曲が強い
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実際の飼育記録

アゲハチョウが蛹になってから羽化するまで、一般的には1週間から10日程度と言われています。私は実際にアゲハチョウを飼育していますので、まずはその飼育記録を整理してみます。

飼育中のアゲハチョウの蛹

下の表は、これまでに実際に飼育した記録です。この記録は全て室内で飼育した記録ですので、屋外の環境では増減する可能性があります。

No種類蛹化羽化蛹の期間備考
1アゲハチョウ6/28寄生終齢幼虫から室内飼育
2アゲハチョウ7/57/149日間終齢幼虫から室内飼育
3アゲハチョウ7/77/169日間終齢幼虫から室内飼育
4アゲハチョウ7/77/169日間終齢幼虫から室内飼育
5アゲハチョウ7/77/169日間終齢幼虫から室内飼育
6アゲハチョウ7/77/1710日間終齢幼虫から室内飼育
7アゲハチョウ7/97/189日間終齢幼虫から室内飼育
8アゲハチョウ7/117/209日間終齢幼虫から室内飼育
9キアゲハ7/77/1710日間終齢幼虫から室内飼育
10キアゲハ9/39/129日間卵から室内飼育
11キアゲハ9/3寄生野外
12クロアゲハ6/307/1313日間1齢幼虫から室内飼育
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蛹が羽化するまでの期間

アゲハチョウの場合

自宅で羽化したアゲハチョウ

実際の飼育記録から、アゲハチョウが蛹になって羽化するまで1週間から10日程度ということがわかりました。

なお、これは室内での飼育下での日数ですので、野外では前後することが考えられます。また、アゲハチョウは蛹で越冬するので、秋に蛹になったアゲハチョウは、そのまま冬を越して翌年の春に成虫になります。

アゲハチョウ以外の場合(クロアゲハなど)

自宅で羽化したクロアゲハ

アゲハチョウは1週間から10日程度でしたが、クロアゲハなどの他のアゲハチョウ科の蝶はどうでしょうか。

これまでの飼育記録から、クロアゲハは羽化するまでに13日かかりました。クロアゲハのような大型のアゲハチョウ科の蝶は、羽化するまでの日数はアゲハチョウより多くかかることがわかります。一般的に、クロアゲハの場合は蛹が羽化するまで、10日から2週間程度かかると言われています。

まとめ

結論
  • アゲハチョウは、蛹になってから羽化するまで、1週間から10日程度かかる。
  • クロアゲハなどの大型の蝶は、アゲハチョウよりもう少し日数がかかる。
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寄生されている割合

ヤドリバエに寄生されて死んでしまったアゲハチョウの蛹

アゲハチョウの幼虫や蛹は、野外ではハチやハエなどの寄生虫によく寄生されます

この記事では、アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハの幼虫を合計で12頭飼育した記録を紹介しました。そのうち、寄生されていたのは2頭だけでした。

寄生されている割合って、そんなに高くないんだ!?

この結果だけを見ると、寄生されている割合は低いように見えます。ですが、ここで紹介した個体は全て、途中から室内飼育をしていますので、寄生される確率が減っています。屋外で蛹になった個体は、もっと高い割合で寄生されていると考えられます。

一般的には、アゲハチョウが卵から成虫になる確率は1~2%程度と言われています。寄生されたり、鳥に食べられたり、途中で死んでしまったり、理由は様々ですが、アゲハチョウは非常に厳しい環境の中で生きていることがわかります。

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アゲハチョウの蛹のQ&A

【質問1】蛹が成虫になりません。なぜでしょうか。

回答:越冬している可能性や、寄生している可能性、死んでいる可能性が考えられます。

アゲハチョウは蛹になってから羽化するまで、通常1週間から10日程度要します。それ以上経っても羽化しない場合は、越冬している可能性や、寄生している可能性、死んでいる可能性が考えられます。

アゲハチョウは蛹の状態で越冬します。そのため、蛹になったのが秋であれば、越冬して次の春に成虫になる可能性があります。

また、蛹に穴が空いている場合は、寄生虫に寄生されている可能性が考えられます。

ヤドリバエに寄生されたアゲハチョウの蛹

【質問2】蛹が地面に落ちてしまいました。どうしたら良いでしょうか。

回答:割り箸などで蛹の受けを作ってあげましょう。

蛹が地面に落ちてしまうと、羽化した時に無事に蝶に慣れない可能性が高まりますので、下の写真の様に割り箸などで蛹の受けを作ってあげるようにしましょう。蛹の下半分が受けられるような形であれば問題ありません。

【質問3】蛹の色が緑色だったり茶色だったりします。なぜでしょうか?

回答:周囲の背景の色に同化するため、周囲の環境によって緑か茶色のどちらかになります。

蛹は無防備で、天敵である鳥に見つかってしまうと逃げることができません。そのため、できる限り鳥などの天敵に見つからないようにするため、蛹は周囲の色に同化します。周囲が葉っぱなど緑色であれば蛹も緑色に、周囲が木の枝など茶色であれば蛹も茶色になります。

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まとめ

  • アゲハチョウが蛹になって羽化するまで1週間から10日程度要する。
  • 今回の飼育環境下では、寄生されたのは1割だけであったが、屋外の環境では寄生率はもっと高いと想定される。

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