モンシロチョウとモンキチョウの違い・見分け方と生態を解説

蝶の見分け方

このブログでは、よく似た蝶の見分け方を紹介しています。見た目がよく似ている蝶は、初心者の方には(時には上級者でも)見分けるのが難しいです。

例えば、アゲハチョウとキアゲハの見分け方、モンシロチョウとスジグロシロチョウ、モンキチョウの見分け方などは、最初に悩むところだと思います。

また、中級者や上級者になってきても、ゼフィルスの見分け方やサカハチチョウとアカマダラの見分け方、さらにはスジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウとエゾスジグロシロチョウの見分け方などは簡単ではありません(※ヤマトスジグロシロチョウに関しては、もはや見た目では判別不能です)。

この「よく似た蝶の見分け方」のシリーズでは、こういった蝶をどの様に見分けるのかについて紹介をしていきたいと思います。

その中でも、この記事ではモンシロチョウとモンキチョウの見分け方について紹介をします。

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モンシロチョウとモンキチョウの違い・見分け方

モンシロチョウとモンキチョウの見分け方を紹介します。

名前の通り、モンシロチョウは白色、モンキチョウは黄色が基本的な色ですが、モンキチョウの♀は白色をしていて、モンシロチョウと見間違えることが多いので注意が必要です。

簡単に見分けるポイントしては、モンキチョウは後翅に大きな紋があるのに対して、モンシロチョウはないという点です。

それ以外にも違う点はいくつかありますが、最低限ここさえ押さえておけば、モンシロチョウとモンキチョウを見間違えることはありません。

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モンシロチョウの紹介

2018年7月8日に栃木県宇都宮市で観察したモンシロチョウ
2018年5月12日に茨城県下妻市で観察したモンシロチョウ
2019年5月5日に茨城県土浦市で観察したモンシロチョウ

モンシロチョウは、元々は日本に生息していなかった移入昆虫であると言われていますが、現在では北海道から沖縄までの全国で普通に見られる蝶です。元々は沖縄には生息していませんでしたが、1950年代頃から見られるようになり、現在は沖縄でも普通に見ることができます。

幼虫はキャベツなどのアブラナ科の植物を食草とするため、キャベツ畑でよく見ることができます。

よく似た種として、スジグロシロチョウやオオモンシロチョウがいます。スジグロシロチョウはどちらかというと林の中などの暗い環境や山地に生息することが多いのに対して、モンシロチョウは日がよく当たる平地などに生息しています。また、オオモンシロチョウは北海道や青森県、岩手県のみに生息する蝶です。また、モンキチョウの♀と見間違う方もいるかもしれません。

  • 食草:キャベツなどのアブラナ科の植物
  • 分布:北海道から沖縄までの日本全国
  • 成虫が見られる時期:3月頃から10月頃まで
  • 生息環境:農地や民家、河川敷などに広く分布

日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているモンシロチョウ

1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。ここに記載されているモンシロチョウを紹介します。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

全翅白く前翅の前角は黒し。後翅前縁に微黒斑あり。裏面に於て前翅の前角淡黄色にして、中央に明なる二黒點あり。後翅は一般に黄色の粉鱗が多く且つ灰白色粉鱗を混ず。殊に翅の中央を貫く一黄色條は明瞭なり。雌には前翅表面の中央に二黒點ありて頗る明なれど、雄にては極めて淡く時として全く之を缺くを以て相異る。田野に最普通にして期節により其形状色彩に小差異あり。

●期節 三月ー十月

●産地 北海道、本島、四国、九州

●仔虫 淡緑色にして細毛あり。背と側面に黄色細條あり。だいこん、はぼたん等栽培十字科植物を食す。蛹は灰色にして黒點を有す。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

モンシロチョウは現在は北海道から沖縄まで日本全国に生息する蝶ですが、1950年代頃までは沖縄には生息していませんでした。そのため、日本蝶類図説(1904年)での産地は「北海道、本島、四国、九州」となっており、沖縄は入っていません。

また、日本蝶類図説(1904年)では「田野に最普通」と記載されており、当時から身近な場所で最も普通に見られる蝶であったことがわかります。

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モンキチョウの紹介

2014年9月6日に栃木県さくら市で観察したモンキチョウ
2018年6月24日に新潟県妙高市で観察したモンキチョウ
2018年6月17日に福島県三島町で観察したモンキチョウ
2015年8月8日に神奈川県箱根町で観察したモンキチョウ

モンキチョウは、その名の通り紋のある黄色い蝶ですが、全ての個体が黄色というわけではありません。上の写真では、上から3枚目と4枚目のモンキチョウはどちらかというと白色に見えると思います。ですが、この個体もモンキチョウです。

これは、♂と♀で色が異なるためです。♂のモンキチョウは必ず黄色になります。一方で、♀のモンキチョウは、白色の個体もいれば、黄色の個体もいます。ですので、白色の個体であれば必ず♀、黄色の個体であれば♂と♀どちらもあり得るということになります。

幼虫は都市部の公園などでもよく見かけるシロツメクサを食草とするため、都市部でも普通に見られます。また、山地や河川敷などでもよく見られ、様々な環境で生息している蝶です。

分布も北海道から沖縄まで日本全国で見られる蝶で、それゆえモンシロチョウなどと並んで日本で最も有名な蝶の1種であると言えます。

ミヤマモンキチョウという蝶と見た目は非常に良く似ていて見分けるのは難しいですが、ミヤマモンキチョウは浅間山系や飛騨山脈の標高1700m以上の場所にのみ生息する蝶であるため、通常観察できるのは基本的にモンキチョウということになります。また、モンキチョウの♀とモンシロチョウを見間違う人もいるかもしれません。

  • 食草:シロツメクサやコマツナギなどのマメ科の植物
  • 分布:日本全国
  • 成虫が見られる時期:3月頃から11月頃まで
  • 生息環境:農地や民家、河川敷、山地などに広く分布

モンキチョウの卵

モンキチョウの卵

日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているモンキチョウ

1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)に記載されているモンキチョウを紹介します。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

普通の種にして雄は全翅黄色を呈す。前翅外縁は帯褐黒色にして中に黄色又は黄白色に紋あり。中室先端には黒褐色の點を有す。後翅暗色を帯び外縁黒く、中央に橙黄色の紋あり。此紋は裏面に於て黄褐色の環にて圍まれたる銀白色紋をなす。故に又もんきてふの名あり。雌には二形あり。一は雄の如く黄色にして、一は帯黄白色なり。紋様は何れも雄と大差なし。晩秋にあらはるるものは往々成虫の状にて越年す。是れおつねんてふの名ある所以なり。期節により又變化多き種にして春生は小く夏生は大なり。

●期節 二月ー十一月

●産地 全国到處

●仔虫 暗緑色にして背に二條、側面に一條の白線を有す。からすのえんどう、うまごやし等野生豆科植物を食す。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

昔は成虫で越冬すると考えられていたため、オツネンチョウ(越年蝶)と呼ばれていましたが、その後の調査で幼虫で越冬することが判明し、現在は基本的にモンキチョウと呼ばれています。

生息環境は都市部の民家や公園から山地までと様々な環境で見られる蝶であり、分布は北海道から沖縄までと広いため、モンシロチョウなどと並んで日本で最も有名な蝶の1種です。

日本蝶類図説(1904年)でも産地は「全国到處」と記載されており、当時から日本全国で見られる身近な蝶であったと推測できます。

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