【ヒョウモンチョウの種類と見分け方を画像付きで解説】ツマグロヒョウモンは珍しい?似た蝶は?

蝶の見分け方

ヒョウ柄の蝶を見かけたけど、ヒョウモンチョウはどれも見た目が似ていて種類がわからない。

蝶の初心者にとっては、こんな悩みを持つ人も多いと思います。この記事では、見た目がよく似ている10種類のヒョウモンチョウ類について、違いや見分け方と共に紹介します。

スポンサーリンク

ヒョウモンチョウ類の見分け方(総論)

ヒョウモンチョウの見分け方を一覧でまとめます。以下の画像をご覧ください。

ヒョウモンチョウの見分け方

ヒョウモンチョウ類を判別する時、もしヒョウモンチョウを見つけた場所が都会の公園や民家などであれば、ツマグロヒョウモンの可能性が高いと言えます。稀に都心部でもミドリヒョウモンやメスグロヒョウモンなどが見られることがありますが、かなり高い確率でツマグロヒョウモンです。

一方で、観察した場所が高原や草原などであれば、様々なヒョウモンチョウが生息している可能性があります。以下では、主に本州で見られるヒョウモンチョウを紹介します。

スポンサーリンク

ツマグロヒョウモン

マグロヒョウモンは本州、四国、九州、沖縄で最も普通に見られるヒョウモンチョウ類の1種です。 平地から山頂まで様々な環境で見ることができ、また、成虫が4月頃から11月頃までと長い期間観察できます。

元々は南方系の蝶ですが、1990年代頃から徐々に分布を北へ広げており、現在では中部地方や関東地方で最も普通に見られるヒョウモンチョウ類の蝶となりました。東北地方でも稀に目撃されることがあり、宮城や山形、秋田、岩手で採取例があります。北海道でも1950年代から60年代にかけて採取例が報告されています。

ツマグロヒョウモンの幼虫はパンジーなどのスミレ類の葉を食べます

  • 食草:スミレ類の植物
  • 分布:本州から沖縄まで広く分布
  • 成虫が見られる時期:4月頃から11月頃まで
  • 生息環境:農地や民家、公園、山頂など

ツマグロヒョウモンは♂と♀で模様が異なる蝶です。♂は翅の先端に黒い模様がありませんが、♀は黒色の模様があります。また、♂よりも♀の方が大きいのも特徴です。

ツマグロヒョウモンの♀によく似た模様の蝶として、カバマダラという蝶がいます。カバマダラは胴体に毒を持つ蝶で、天敵である鳥からの捕食を防いでいます。ツマグロヒョウモンは胴体に毒を持っていませんが、カバマダラに擬態することで、鳥からの捕食を防いでいると考えられます。

ツマグロヒョウモンの幼虫・蛹

ツマグロヒョウモンの幼虫

ツマグロヒョウモンの幼虫はこの写真のように非常に毒々しい模様をしています。下で紹介する日本蝶類図説では、ツマグロヒョウモン幼虫は「天鵞絨黒色にして濃橙黄色の背線を有す。」と紹介されていますが、まさにその通りの模様をしています。

ツマグロヒョウモンの蛹

ツマグロヒョウモンの蛹です。棘が多くあるのが特徴です。

日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているツマグロヒョウモン

1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。ここに記載されているツマグロヒョウモンを紹介します。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

美なる種にして翅の外縁殊に後翅外縁の鋸歯深きを以て他と別し易し。表面は一般に鮮黄赤色にして黒紋多し。裏面に於て前翅の大半は赤黄色を呈し、前角は黄色なり。後翅は黄色にして數多の草色紋を有す。各紋は黒く縁付けられ其間に銀白紋あり。雌は雄よりも大く青黒色多く殊に前翅前半は黒くして其中央に大白斑を有す。

●期節 三月-七月

●産地 本島、四国、九州、琉球(大島、八丈島)

●仔虫 天鵞絨黒色にして濃橙黄色の背線を有す。棘毛は分支し、一部分は黒く、餘は暗赤色なり。側面には蒼白色の不規則なる線あり。すみれ類を食す。蛹は淡褐色に暗色の模様を有す。頭は二短角状をなす。胸部下面の各節に金色點あり。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
スポンサーリンク

ミドリヒョウモン

続いて紹介するのがミドリヒョウモンです。ミドリヒョウモンは、沖縄を除く日本全国に生息しており、関東以南ではツマグロヒョウモンに次いでヒョウモンチョウ類の中ではよく見られる蝶です。主に林道や山地で見られることが多いですが、都心の公園などでも観察することができます。成虫は6月頃から10月頃まで見ることができます。

メスグロヒョウモンの♂と似ますが、ミドリヒョウモンは裏の翅の白帯が2本あることから他のヒョウモンチョウと見分けることができます。

スポンサーリンク

メスグロヒョウモン

メスグロヒョウモンは沖縄を除く日本全国で見られる蝶で、主に山地や林道に生息しています。♂と♀で全く違う模様をしているため、蝶初心者にとっては一見すると全く別の種類と認識してしまうと思います。♂はヒョウモンの模様をしていますが、♀はヒョウモン柄はなく、どちらかというとイチモンジチョウなどに似ます。成虫は6月頃から10月頃まで見ることができます。

メスグロヒョウモンの♂はミドリヒョウモンと似ますが、メスグロヒョウモン♂は翅の裏の白帯が1本の線状となっていることから見分けることができます。

スポンサーリンク

ギンボシヒョウモン

ギンボシヒョウモンは北海道では平地にも生息しますが、本州では基本的に山地の草原に生息するため、普段の生活の中では目にする機会が少ない蝶です。特に東北地方では数を減らしており、近年はほぼ見られない状態が続いています。成虫は7月頃から9月頃まで見ることができます。

ギンボシヒョウモンはウラギンヒョウモンと非常に良く似ますが、後ろ翅の裏側の白紋の数でウラギンヒョウモンと見分けることができます。

スポンサーリンク

ウラギンヒョウモン

ウラギンヒョウモンは沖縄を除く日本全国に生息する蝶で、主に山地に生息しているため普段の生活で目にする機会は少ない蝶です。ですが、山地に行くと比較的よく見られる蝶で、成虫は6月頃から10月頃まで見ることができます。

ウラギンヒョウモンはギンボシヒョウモンと非常に良く似ますが、後ろ翅の裏側の白紋の数でギンボシヒョウモンと見分けることができます。

スポンサーリンク

クモガタヒョウモン

クモガタヒョウモンは主に丘陵地や山地に生息する蝶で、沖縄を除く日本全国で見られる蝶です。成虫は5月頃から10月頃まで見られます。

クモガタヒョウモンは、後翅の裏側の模様が不明瞭なのが特徴であり、ヒョウモンチョウ類の中では比較的見分けやすい蝶と言えます。

スポンサーリンク

ウラギンスジヒョウモン

ウラギンスジヒョウモンは沖縄を除く日本全国に生息する蝶で、主に丘陵地や山地に生息しています。全国的に減少のスピードが速く、生息地は限られてきています。成虫は6月頃から10月頃まで見ることができます。

オオウラギンスジヒョウモンとよく似ますが、前翅の形状が、オオウラギンスジヒョウモンは凹みがあるのに対してウラギンスジヒョウモンは凹まないことから見分けることができます。

スポンサーリンク

オオウラギンスジヒョウモン

オオウラギンスジヒョウモンは沖縄を除く日本全国に生息する蝶で、主に山地に生息しています。ウラギンスジヒョウモンと比べると山地の環境を好むため、ウラギンスジヒョウモンほど減少はしていません。成虫は6月頃から10月頃まで見ることができます。

ウラギンスジヒョウモンとよく似ますが、前翅の形状が、オオウラギンスジヒョウモンは凹みがあるのに対してウラギンスジヒョウモンは凹まないことから見分けることができます。

スポンサーリンク

コウゲンヒョウモンチョウ(ヒョウモンチョウ)

ヒョウモンチョウ

コウゲンヒョウモンチョウは本州と北海道に生息する蝶で、環境省レッドリスト2020では、ヒョウモンチョウ本州中部亜種は絶滅危惧II類(VU)に分類されていて、「絶滅の危険が増大している種」とされています。また、ヒョウモンチョウ北海道・本州北部亜種は準絶滅危惧(NT)に分類されています。

コヒョウモンに非常に良く似ていて、見分けるのは容易ではありません。

スポンサーリンク

コヒョウモン

コヒョウモン

コヒョウモンは本州と北海道に生息する蝶で、ヒョウモンチョウと比べるとよく見られる蝶ですが、全国的に数を減らしています。ヒョウモンチョウと非常に良く似ていて、生息地が重なる場所もあるため、見分けるのは容易ではありません。

スポンサーリンク

ここで紹介した以外のヒョウモンチョウ

上で紹介した以外にも、日本にはヒョウモンチョウが生息しています。具体的には、以下の種が生息しています。

  • ホソバヒョウモン:北海道にのみ生息
  • カラフトヒョウモン:北海道にのみ生息
  • アサヒヒョウモン:北海道にのみ生息
  • オオウラギンヒョウモン:多くの地域で絶滅し、現在ではほとんど見られない
  • ウラベニヒョウモン:沖縄で観察される迷チョウ

コメント

タイトルとURLをコピーしました