春だけに見られる蝶~スプリング・エフェメラル~

蝶の生態他

スプリング・エフェメラルという言葉を聞いたことはあるでしょうか。普段の生活の中では聞くことのない言葉だと思いますが、蝶や植物に興味がある方は聞いたことがあるかもしれません。

スプリング・エフェメラルとは、元々は春先に花を咲かせる植物の総称として用いれる言葉ですが、直訳をすると「春の短い命」という意味で、「春の妖精」と訳されることもあります

日本の蝶では、ギフチョウやウスバシロチョウがスプリング・エフェメラル、つまり春の妖精とよく呼ばれます。

この記事では、そういった春にだけ成虫として見られる蝶を紹介したいと思います。

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ギフチョウ(アゲハチョウ科)

日本のスプリング・エフェメラルといえば、まず出てくるのはギフチョウだと思います。1年のうち、春先にだけ成虫が見られます。平地では3月頃から、山地では5月頃に見られます。成虫は10時頃から飛翔を開始し、カタクリやタチツボスミレ等の丈の低い花を好んで吸蜜します。

高度経済成長期以降、急激に数を減らしており、1973年頃までは八王子市高尾山一帯の小仏峠・景信山・御殿峠に生息するなど、南関東でも広い範囲で生息していましたが、現在は南関東では神奈川県の一部にしか生息していません。

明治16年(1883年)に初代名和昆虫研究所所長の名和靖さんが学会に紹介し、岐阜県でこの蝶が得られたため、ギフチョウと名付けられました。

似た種として、ヒメギフチョウがいます。ヒメギフチョウと生息域がはっきりと分かれており、おおむねフォッサマグナより西では本種が、東ではヒメギフチョウが生息します。長野県の白馬村をはじめとする数か所では両種が混在して生息しています(生息域の境界線を「リュードルフィア線」と呼ぶ)。

2016年5月7日 長野県白馬村
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ヒメギフチョウ(アゲハチョウ科)

ギフチョウと同様に、春を代表する蝶の1種です。カタクリ等の花をよく訪れます。警戒心はそれほど高くなく、近づいても逃げないことが多いです。

ギフチョウと似ますが、本種の方が小型であること、黒帯が細くて後翅外縁のオレンジ列が地色と同じ黄色になること等で違いがあります。また、ギフチョウと生息域がはっきりと分かれており、おおむねフォッサマグナより東では本種が、西ではギフチョウが生息します。

長野県の白馬村をはじめとする数か所では両種が混在して生息しています(生息域の境界線を「リュードルフィア線」と呼ぶ)。

亜種として、本州亜種(inexpecta)、北海道亜種(yessoensis)が存在し、北海道亜種は、「エゾヒメギフチョウ」と呼ばれることもあります。

2016年5月7日 長野県白馬村
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ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科)

別名ウスバアゲハと呼ばれます。昔は「につくわうしろてふ(ニッコウシロチョウ)」、「べつこうてふ(ベッコウチョウ)」とも呼ばれていました。4月下旬~6月頃に見られる蝶です。

種名に“シロチョウ”とつきますが、アゲハチョウ科に分類されます。草地の上を滑空するように飛翔し、よく花を訪れます。警戒心が弱く、近づいても逃げないことが多いのが特徴です。

似た種としてヒメウスバシロチョウがいて、北海道では生息地が重なる場所もあるので、同定には注意が必要ですが、本州で似た種は特にいません。

2015年4月29日 埼玉県嵐山町
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ツマキチョウ(シロチョウ科)

春先の4月、5月頃にのみ見られる蝶です。都市部から山地まで様々な場所で見られます。モンシロチョウと混生することが多いのですが、本種の方がより直線的に飛ぶため、飛翔中でも見分けることができ、また前翅の先が尖るのが本種の特徴です。タンポポ等の花をよく訪れます。

♂は前翅の先に黄色の模様がありますが、♀はグレーになります。

2017年4月22日 東京都文京区
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コツバメ(シジミチョウ科)

こちらも春先にだけ成虫が見られる蝶です。非常に俊敏に飛翔します。

2018年4月28日 茨城県北茨城市

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