ノコギリクワガタの飼育・産卵・幼虫の育て方や寿命を解説~温度やマット、ゼリーなどのエサ~

カブト・クワガタ
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コノギリクワガタを育ててみたい。飼育するために何か特別なことが必要なのでしょうか?

ノコギリクワガタは比較的身近なクワガタで、アゴが大きくインパクトもあるため人気のクワガタの1種です。ノコギリクワガタを飼育してみたいという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、ノコギリクワガタの成虫の飼育方法について解説をします。この記事を最後までお読みいただけば、その日からコノギリクワガタを飼育できるようになります。

↓この動画で産卵セットの組み方を紹介しています。こちらも是非ご覧ください。

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ノコギリクワガタの紹介

ノコギリクワガタのオス

ノコギリクワガタの生息環境

コノギリクワガタは日本に広く生息し、野生での個体数も多いため、コクワガタと並んで日本を代表するクワガタの1種です。大顎の内側がノコギリのようにギザギザしていることからノコギリクワガタと名づけられました。

分布は北海道から九州となっており、平地や山地の広葉樹の森林に生息します。都会でも生息していることがあります。

ノコギリクワガタは他のクワガタと同様に、クヌギやコナラなどの樹液をエサとします。活動時間は主に夜間なので、夜間に樹液が出ている木を探しに行くと、野生のノコギリクワガタに出会える可能性が高まります。

ノコギリクワガタの亜種

日本には6亜種のノコギリクワガタが生息しています。

  • 北海道・本州・四国・九州などに生息する一般的なノコギリクワガタ(原名亜種)
  • 黒島に生息するクロシマノコギリクワガタ
  • 硫黄島に生息するミシマイオウノコギリクワガタ
  • 口永良部島に生息するクチノエラブノコギリクワガタ
  • 三宅島などに生息するミヤケノコギリクワガタ
  • 屋久島に生息するヤクシマノコギリクワガタ

コノギリクワガタの寿命

ノコギリクワガタは通常、羽化したその年に寿命を迎えます。通常は越冬することができないクワガタですので、越冬するコクワガタやオオクワガタなどと異なり、クワガタの中では短命と言えます。

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ノコギリクワガタの入手方法

ノコギリクワガタの成虫を入手する方法は主に以下3つがあります。

  • 野生のノコギリクワガタを捕まえる方法
  • ホームセンターなどで購入する方法
  • 累代飼育する方法

野生のノコギリクワガタを捕まえる

道端で捕まえて捕獲したノコギリクワガタのオス

ノコギリクワガタは日本のクワガタ虫の中で個体数が多い種ですので、比較的最も見つけやすい種であると言えます。都会でも生息していることがありますので、野生のノコギリクワガタを探してみるのも1つの方法です。

カブトムシやクワガタの成虫は、主にクヌギやコナラなどの樹液をエサとしています。また、基本的には夜に活動する夜行性の昆虫ですので、昼間に樹液の出ている木を見つけておいて、夜にその場所に行くとカブトムシやクワガタが見つかる可能性が高まります。

また、カブトムシやクワガタは夜間に光に集まる習性がありますので、光を放って集める方法(ライトトラップ)もあります。

  • カブトムシやクワガタはクヌギやコナラなどの樹液をエサとしている。
  • 夜行性のため、樹液の出ている木を夜に探しに行くと見つかる可能性が高まる。
  • 光を使って採集する方法(ライトトラップ)も有効。

樹液での採集と、ライトトラップの採集方法は以下のYouTube動画で紹介していますので、こちらも併せて是非ご覧ください。YouTubeのチャンネル登録も是非お願いします。

↓樹液採集

↓灯火採集

ホームセンターなどで購入

通販で購入したノコギリクワガタ

ホームセンターや通販などで、数千円でノコギリクワガタを購入することができます。野生の採集が難しい人は、ホームセンターや通販での購入を検討してみましょう。

累代飼育する

ノコギリクワガタを産卵させて幼虫を育て、次世代のノコギリクワガタの成虫を育てることを累代飼育と言います。累代飼育が上手くできれば、ノコギリクワガタをどんどん増やしていくことができます。

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ノコギリクワガタの成虫の飼い方・育て方

ノコギリクワガタの飼育状況

ノコギリクワガタを飼育するためには、まずは飼育セットを組みましょう。

飼育セットの作り方

飼育セットの例

ノコギリクワガタを産卵させることを目的としない場合、飼育セットはカブトムシと同じで問題ありません。具体的には以下3点です。

  • 飼育ケースにマット(土)を入れる。
  • 転倒した時に起き上がれるように、朽ち木・止まり木を入れる。
  • エサとなる昆虫ゼリーをセットする。

温度と保湿管理

ノコギリクワガタの飼育セットが準備できれば、あとは適切に温度と湿度を管理すればノコギリクワガタは長生きをします。

ノコギリクワガタの適温は20℃から28℃です。

30℃以上の飼育環境下ではノコギリクワガタが弱ってしまう恐れがありますので、温度管理は適切に行いましょう。室温が30℃以上になってしまう場合の温度管理の方法は次の2つがあります。

温度管理の方法
  1. エアコンを使って温度を管理する
  2. クーラーボックスや発泡スチロールケース+保冷剤で冷やす
発泡スチロール+保冷剤で温度管理する事例

また、ノコギリクワガタは他のクワガタと同様に乾燥に弱い種です。マットは霧吹きなどで保湿をするようにしましょう。保湿の目安としては、マットを握った時に団子になる程度です。加湿のし過ぎもノコギリクワガタを弱らせる原因になりますので、保湿管理は適切に行いましょう。

ノコギリクワガタを育てるために必要なもの

【必要なもの①】飼育ケース(虫かご)

飼育ケース

ノコギリクワガタは中型~大型のクワガタであるため、サイズが”中”以上のケースを選ぶようにしましょう。オスを同じケースに複数頭入れて育てると喧嘩をして寿命を縮めてしまいますので、オスは必ず1ケースで1匹としましょう。

コバエが気になる人は、コバエを防ぐことができる飼育ケースを購入するようにしましょう。

【必要なもの②】マット

飼育マット

ノコギリワガタを飼育するための専用マットをホームセンターや通販などで購入することができます。飼育マットは必須のアイテムですので、飼育前に必ず購入しておくようにしましょう。飼育マットには様々な種類があるので、目的にあったマットを選ぶようにしましょう。ポイントは以下の通りです。

  • ノコギリクワガタを産卵させて幼虫を育てたいと考えている場合は、クヌギなどでできた産卵・幼虫飼育用のマットを選ぶようにしましょう
  • 産卵を考えておらず、ダニなどの発生を防ぎたいと考えている場合は、ヒノキなどの針葉樹でできたダニやコバエなどの発生を抑えるマットを選ぶようにしましょう。

【必要なもの③】朽ち木・止まり木・エサ皿

エサ皿や朽ち木

ノコギリワガタやカブトムシは転倒してしまうと、自力で起き上がることができません。そのため、起き上がる時に掴まれる朽ち木などを置いておくことが必要です。

また、エサ皿があれば、ゼリーが周りに飛び散り、マットが汚れるのを防ぐことができます。エサ皿は必須ではありませんが、あると便利なアイテムです。

【必要なもの④】昆虫ゼリー

昆虫ゼリー

ノコギリクワガタは昆虫ゼリーで育てることができます。昆虫ゼリーの他、バナナやリンゴなどで育てることもできますが、水分量の多いスイカやメロンなどは体調を崩すおそれがありますので与えないようにしましょう。昆虫ゼリーは3日に1回は交換するようにしましょう。産卵をさせる場合はプロゼリーなどの高タンパクのゼリーがオススメです。

【必要なもの⑤】虫よけシート

虫よけシートを付けた飼育ケース

コバエの侵入を防止する飼育ケースを使用している場合は不要ですが、普通の飼育ケースを使用している場合で、コバエの侵入を防止したい場合は、虫よけシートを使うことをオススメします。飼育ケースの蓋にかさみ込むことで、コバエの侵入を防止することができます。虫よけシートには以下のメリットがあります。

  • コバエの侵入を防止できる
  • 昆虫マットの乾燥を防ぐことができる
  • 臭いを防ぐことができる
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ノコギリクワガタの産卵セットの組み方

飼育ケースの底に産卵したノコギリクワガタの卵

ノコギリクワガタの産卵セットの組み方を解説します。

交尾をするまで

通販でペアで購入したノコギリクワガタが入ったプリンケース

野生で捕まえてきたノコギリクワガタのメスは、8割程度の確率で交尾済みです。

なので、野生のノコギリクワガタ(WD(ワイルド)といいます)は交尾をさせなくても卵を産む可能性が十分にあります。一方で、交尾をまだしていないノコギリクワガタを交尾させるためには、同居ペアリングとハンドペアリングの2つの方法があります。

同居ペアリング

同居ペアリングとは、ノコギリクワガタのオスとメスを同じケースに入れることで始まる交尾のことをいいます。

ハンドペアリング

ハンドペアリングとは、ノコギリクワガタのオスを人為的にメスの上に乗せることで始まる交尾のことをいいます。同居ペアリングでメスが交尾を拒否する場合でも、ハンドペアリングで交尾が始まることもあります。交尾を自分の目で確認することができることが大きなメリットです。

交尾をする時期

ノコギリクワガタは蛹から羽化して間もない個体は繁殖能力がないため、交尾を行うことができません。一般的には、羽化して3か月程度経過した個体は繁殖能力がつき、交尾ができる状態となっています。昆虫ゼリーを食べ始めるタイミングが目安となります。

交尾をしてから産卵するまで(産卵セットの組み方)

割り出したノコギリクワガタの卵

交尾を終えたノコギリクワガタは、産卵セットを組んでその中に入れると卵を産み始めます。ノコギリクワガタは、産卵木とマットの両方に卵を産みます。それぞれの産卵セットの組み方を解説します。

産卵セットの組み方①:産卵木に産卵

ここでは産卵木に産卵する手順を紹介します。

産卵木による産卵セットの組み方

以下では、それぞれのステップに分けて具体的に解説をします。

【手順①】クヌギやコナラの産卵木を購入して水に浸す
水に浸した産卵木

産卵木はクヌギもしくはコナラを使用しましょう。市販品の場合は購入時は乾燥しているため、水に浸して水分を吸収させます。浸す時間は1時間程度で問題ありません。水に浸し終えたら、数時間程度日陰干しを行います。その後、産卵木は皮を剝いでおくとノコギリクワガタが産卵しやすくなります。

手順②】飼育ケースの底にマットを3㎝程度敷いて、その上に産卵木を置く
マットの上に産卵木を置いた状態

マットは加水して湿らせておくようにしましょう。加水の目安としては、マットを握った時に団子ができる程度です。マットを飼育ケースの底から3㎝程度敷いたら、その上に産卵木をセットします。

【手順③】産卵木が見えなくなる程度までマットを敷く
飼育セットの完成形

産卵木が見えなくなる程度までマットを敷きましょう。マットは手順②と同様に適切に加水しましょう。あとは、昆虫ゼリーや転倒防止のための朽ち木や枯葉などをセットすれば飼育セットの完成です。

産卵セットの組み方②:マットに産卵

マットに産卵させる場合は、産卵木の準備は不要です。

マットによる産卵セットの組み方

具体的な手順を以下で解説します。

【手順①】マットを敷いて押し固める

飼育ケースにマットを5㎝程度敷き詰めてしっかりと押し固めます。マットが硬くなっていないとメスは卵を産みませんので、可能な限り強くマットを押し固めるようにしましょう。

【手順②】さらにマットを敷く

飼育ケースにさらにマットを5㎝程度敷き詰めて、軽く押し固めます。この時はそれほど強く押し固める必要はありません。

産卵してから孵化するまで

ノコギリクワガタの卵は10日から20日程度で孵化します。産卵の状態や幼虫の成長の状態を確認するため、割り出しを行います。

割り出しとは幼虫の状態を確認することで、産卵木を用いた場合は産卵木を取り出して、マイナスドライバーなどで産卵木を割り、木の中の状態を確かめます。マットに産卵させた場合は、マットを掘り返します。

割り出しを行う時期

割り出しは、産卵セットを組んでから2か月程度で行うようにしましょう。あまり長く放置してしまうと、ノコギリクワガタのメスが幼虫を食べてしまう恐れがあります。

ノコギリクワガタのメスは、卵を産むためにタンパク質を必要とします。そのタンパク質を幼虫を食べることで摂取します。この事態を防ぐために、2か月程度で割り出しを行い、幼虫を取り出すようにしましょう。

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孵化後の幼虫の飼い方・育て方

割り出し後の幼虫の管理

割り出したノコギリクワガタの幼虫

割り出して取り出したノコギリクワガタの幼虫は、以下の2つの方法で成長させることができます。

  • 菌糸ビンで飼育する。
  • 発酵マットで飼育する。

菌糸ビンで飼育する

菌糸ビンとは細かく砕いたクヌギなどの広葉樹のマットにキノコの菌を繁殖させたものです。菌糸ビンは通販などで購入することができます。ノコギリクワガタの幼虫は、菌糸を食べて成長します。2~3か月で交換し、蛹になるのを待ちます。

発酵マットで飼育する

菌糸ビンを使わなくても、クヌギやコナラなどの広葉樹の発酵マットで飼育することもできます。ホームセンターや通販などで、ノコギリワガタの幼虫の飼育用のマットを購入すれば、問題なく育ちます。

温度管理と湿度管理

温度管理は非常に重要です。30℃を越えるような状態は避けて、25℃~28℃をキープするようにしましょう。30℃を越える環境に置いておくと死んでしまうリスクが高まります

また、マットは乾燥しないよう、定期的に霧吹きを吹きかけるなど、マットは適度な湿度を保つようにしましょう。湿りすぎていると、カビが生えることがありますので、過度に湿度を高めるのも避けるようにしましょう。

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