東京都の”珍しい蝶”と”絶滅した蝶”を紹介~東京都レッドリスト2020より~

蝶の生態他

東京都は高度経済成長時に都市化が急激に進行し、多くの里山環境が消失したことで、個体数が急激に減少した蝶や、絶滅した蝶は少なくありません。

東京都レッドリスト(本土部)2020では、絶滅と判断された蝶が13種類、絶滅危惧ⅠA類が3種類、絶滅危惧ⅠB類は8種類が掲載されています。この記事ではこれらの蝶を紹介します。

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東京都で絶滅した13種類の蝶

ギフチョウ

長野県白馬村のギフチョウ

ソメイヨシノの開花とほぼ同時期に成虫が発生し、春にだけ見られる日本を代表する蝶の1種(日本の固有種)です「春の女神(スプリング・エフェメラル)」と呼ばれ、度々メディアにも登場します。

明治16年(1883年)に初代名和昆虫研究所所長の名和靖さんが学会に紹介し、岐阜県でこの蝶が得られたため、ギフチョウと名付けられました。昔は「ダンダラチョウ」とも呼ばれていました。

成虫は10時頃から飛翔を開始し、カタクリやタチツボスミレ等の丈の低い花を好んで吸蜜します。

高度経済成長期以降、急激に数を減らしており、1973年頃までは八王子市高尾山一帯の小仏峠・景信山・御殿峠に生息するなど、南関東でも広い範囲で生息していましたが、現在は南関東では神奈川県の一部にしか生息していません。

ヒメシロチョウ

2009年7月18日山梨県忍野村のヒメシロチョウ
分布北海道、本州、九州
生息環境平地、山地
発生回数年3回程度
成虫が見られる時期4月から9月頃まで
越冬の状態蛹で越冬
食草ツルフジバカマなど
亜種なし

ヒメシロチョウは北海道、本州、九州に生息しています。生息地は局地的で、草地環境の悪化により絶滅した地域もあり、全国的に絶滅が危惧されています。成虫は年3回程度の発生で、第1化は4月頃から羽化し、第3化が9月頃まで見られます。

日中に活発に活動し、草地の周辺を緩やかに飛翔します。モンシロチョウと比較すると小さく、飛翔も緩やかであることから、飛翔中でも見分けることができます。北海道に生息するエゾヒメシロチョウとは見た目が非常に良く似ており、生息地が重なることもあるため、同定には注意が必要です。

クロシジミ

2010年7月24日山梨県富士河口湖町のクロシジミ
分布本州、四国、九州
生息環境平地、山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期7月から8月頃
越冬の状態幼虫で越冬
食草クヌギ、コナラなど
亜種なし

クロシジミは生息数が激減し、生息地が局地的となっており、現在は絶滅が危惧される蝶の1種です。成虫は1年に1回の発生で、7月から8月頃に見られます。日中、オスは草原の上を俊敏に飛翔して、メスは低い場所をゆっくりと飛びます。ヒメジョオンなどの花の蜜を良く吸う姿が見られます。

シルビアシジミ

2015年8月29日兵庫県伊丹市のシルビアシジミ
分布本州、四国、九州
生息環境平地
発生回数年4回程度
成虫が見られる時期4月から11月頃
越冬の状態幼虫で越冬
食草ミヤコグサ、シロツメクサなど
亜種なし

シルビアシジミは本州と四国、九州に生息しますが、生息地は極めて局地的で、個体数も多くないため、絶滅が危惧される蝶の1種です。成虫は4月頃から11月頃まで観察することができます。

幼虫の主な食草はミヤコグサですが、兵庫県に生息する個体はシロツメクサを食べます。ミヤコグサを食草とする個体は草地環境の悪化により全国的に減少していますが、シロツメクサを食草とする個体は安定して生息しています。

ヤマトシジミと見た目は非常に良く似ますが、ヤマトシジミは平地で一般的なのに対して、シルビアシジミは極めて局地的にしか生息しませんので、普段見られるのはヤマトシジミであることがほとんどです。

ヒメシジミ

ヒメシジミ
分布北海道、本州、九州
生息環境草原
発生回数年1回程度
成虫が見られる時期6月から7月頃
越冬の状態卵で越冬
食草オオヨモギなど
亜種北海道亜種、本州・九州亜種

ヒメシジミは北海道と本州、九州に生息する蝶で、四国や沖縄には生息していません。北海道では平地でも見られますが、本州では比較的標高の高い草原に生息する蝶です。草原の環境の悪化により絶滅してしまった場所も少なくありません。

ヒメシジミは産地による個体差が大きい蝶で、北海道に生息する亜種と、本州や九州に生息する亜種の2種類の亜種に分類されます。また、同じ地域に生息するものでも個体差が大きいです。

見た目がよく似た種として、ミヤマシジミとアサマシジミがいますが、この3種の中ではヒメシジミが最も小型です。また、ミヤマシジミはヒメシジミと比較すると標高が低い河川敷などにに生息するため、生息環境でも概ね見分けることができます。

ミヤマシジミ

ミヤマシジミ
分布本州
生息環境河川敷など
発生回数年4回程度
成虫が見られる時期5月から10月頃
越冬の状態卵で越冬
食草コマツナギなど
亜種なし

ミヤマシジミは絶滅した地域が多く存在し、現在は生息地が限られる珍しい蝶です。ヒメシジミやアサマシジミと良く似ますが、ミヤマシジミはこれらと違い年に複数回世代交代を行う多化性の蝶です。季節的な変異があり、第1化の春型は大型となり、それ以降は小さくなる傾向があります。地理的な変異や個体差による変異もあり、亜種の分類には意見が分かれることがあります。

アサマシジミ

2009年7月18日山梨県忍野村のアサマシジミ
分布北海道、本州
生息環境山地など
発生回数年1回
成虫が見られる時期6月から7月頃
越冬の状態卵で越冬
食草ナンテンハギなど
亜種北海道亜種、本州中部高山帯亜種、本州中部低山帯亜種

アサマシジミはかつては以下の3種類に分類されていましたが、現在は全てアサマシジミとなっており、この3種はそれぞれ亜種として分類されています。

  • イブリシジミ(イシダシジミ):現在は北海道亜種とされる。
  • ヤリガタケシジミ:現在は本州中部高山帯亜種とされる。
  • アサマシジミ:現在は本州中部低山帯亜種とされる。

成虫は年1回の発生で、6月から7月頃にかけて見られます。分布は北海道と本州ですが、北海道の生息地は壊滅的な状況で、本州の生息地でも生息数は激減しています。

近縁種としてヒメシジミとミヤマシジミがおり、この中ではアサマシジミが一番大きくなります。特に本州中部低山帯亜種が大型となります。

ウラギンスジヒョウモン

2010年7月24日山梨県富士河口湖町のウラギンスジヒョウモン
分布北海道、本州、四国、九州
生息環境平地、山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期6月から10月頃まで
越冬の状態卵で越冬
食草タチツボスミレなど
亜種なし

ウラギンスジヒョウモンは北海道から九州まで広く日本に分布する蝶で、主に草原に生息します。成虫は年1回の発生で、6月頃に羽化しはじめ、その後7月下旬頃から夏眠に入り、9月頃になると活動を再開します。草原環境の悪化により全国的に生息数が減少しており、現在は絶滅が危惧される蝶の1種です。

活動時間は主に日中で、俊敏に飛翔し、花の蜜を吸うほか、地面から吸水することもあります。

オオウラギンヒョウモン

※現在情報整理中

チャマダラセセリ

※現在情報整理中

ホシチャバネセセリ

※現在情報整理中

コキマダラセセリ

※現在情報整理中

アカセセリ

※現在情報整理中

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東京都で絶滅危惧ⅠA類の3種類の蝶

ツマグロキチョウ

2009年9月11日栃木県さくら市のツマグロキチョウ
分布本州、四国、九州
生息環境平地、山地
発生回数年3~4回
成虫が見られる時期ほぼ周年
越冬の状態成虫で越冬
食草カワラケツメイ、アレチケツメイなど
亜種なし

ツマグロキチョウは本州、四国、九州に生息します。かつては普通に見られた蝶ですが、環境悪化により生息数が減少し、現在は絶滅が危惧される蝶です。成虫は年3~4回程度発生し、第1化(夏型)は5月頃から発生し始めます。

キタキチョウと見た目がよく似ており、分布も重なることがあるため、同定には注意が必要です。特に夏型は見た目がよく似ます。

アサマイチモンジ

2015年6月13日栃木県日光市のアサマイチモンジ
分布本州
生息環境平地、低山地
発生回数年3回程度
成虫が見られる時期5月から10月頃
越冬の状態幼虫で越冬
食草スイカズラ、タニウツギなど
亜種なし

アサマイチモンジは日本の固有種で、本州にのみ生息します。本州では青森県から山口県まで広く分布しますが、近縁種のイチモンジチョウと比べると個体数は少なく、分布も局地的です。発生は基本的に年3回で、5月から10月頃まで観察できます。

成虫は日中、低い場所を緩やかに飛翔し、花の蜜をよく吸います。

スジグロチャバネセセリ

※現在情報整理中

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東京都で絶滅危惧ⅠB類の8種類の蝶

スジボソヤマキチョウ

2015年7月25日長野県南牧村のスジボソヤマキチョウ
分布本州、四国、九州
生息環境山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期ほぼ周年
越冬の状態成虫で越冬
食草クロウメモドキ、クロツバラなど
亜種なし

スジボソヤマキチョウは、本州から九州まで広く日本に分布します。主に山地に生息し、平地ではあまり見られません。成虫は年1回の発生で、6月頃から羽化しはじめ、短い期間活動したあと夏眠に入り秋にまた活動を再開します。

活動時間は主に日中で、緩やかに飛翔し、花の蜜を吸うほか、地面から吸水する姿も見られます。

近縁種のヤマキチョウと見た目がよく似ますが、ヤマキチョウは生息環境の悪化により個体数が激減しているのに対して、スジボソヤマキチョウは山地では比較的よく見られます。

ヤマキチョウ

2009年7月26日山梨県富士河口湖町のヤマキチョウ
分布本州
生息環境山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期ほぼ周年
越冬の状態成虫で越冬
食草クロツバラなど
亜種なし

ヤマキチョウは日本では本州にのみ生息する蝶で、長野県・山梨県を中心とする中部地方と東北地方の一部にのみ生息します。近年は生息環境の悪化により個体数を減らしており、絶滅が危惧されています。成虫は年1回の発生で、7月頃から羽化が始まります。成虫のまま越冬し、翌年の春に再度活動を開始するため、ほぼ周年で成虫を観察することができます。

活動時間はおもに日中で、緩やかに飛翔し、花の蜜をよく吸います。

ムモンアカシジミ

ムモンアカシジミ
分布北海道、本州(局地的)
生息環境山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期オスは7月中旬から8月頃。メスは9月頃まで見られる。
越冬の状態卵で越冬
食草クヌギ、カシワ、ブナなど。終齢幼虫はアブラムシなどを食べる半肉食性。
亜種なし

ムモンアカシジミはゼフィルスの1種で、その名の通り、紋が無いアカシジミです。近縁種のアカシジミやウラナミアカシジミは、オスの活動時間が夕暮れ時なのに対して、ムモンアカシジミは正午前後に活動します。メスは飛ぶことが少なく、下草などでじっとしていることが多いです。

ムモンアカシジミの幼虫はアブラムシなどを食べる半肉食性であり、特殊な生態を持つことから生息域が局地的で、簡単に観察できる蝶ではありません。

カラスシジミ

2010年8月13日長野県乗鞍高原のカラスシジミ
分布北海道、本州、四国、九州
生息環境山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期6月から7月頃
越冬の状態卵で越冬
食草ハルニレ、スモモなど
亜種なし

カラスシジミは成虫が年に1回発生し、6月から7月頃に見られます。北海道では平地から山地にかけて比較的良く見られます。本州以南では主に山地に生息します。日中は休んでいることが多く、主に夕方に活発に活動します。飛び方はとても俊敏で、栗の花やヒメジョオンの花などの蜜を吸います。

幼虫はハルニレやコブニレなどのニレ科のはを食べますが、スモモなどのバラ科の植物の葉を食べることもあります。

見た目が似た種として、日本にはベニモンカラスシジミとミヤマカラスシジミが生息します。

ギンボシヒョウモン

2015年7月25日群馬県嬬恋村のギンボシヒョウモン
分布北海道、本州
生息環境山地
発生回数年1回
成虫が見られる時期7月から9月頃まで
越冬の状態幼虫で越冬
食草イブキトラノオ、タチツボスミレなど
亜種なし

ギンボシヒョウモンは日本では北海道と本州に生息し、北海道では平地と山地に生息し、本州では基本的に標高1,000m以上の山地の草原に生息します。ヒョウモンチョウ類の中では特にウラギンヒョウモンと見た目や生息地がよく似ており、見間違えることがよくあります。花の蜜を吸う姿がよく見られます。成虫は年1回の発生で、7月頃に発生し、9月頃まで見られます。

ツマジロウラジャノメ

ツマジロウラジャノメ
分布北海道、本州、四国
生息環境山地
発生回数年3回
成虫が見られる時期6月から9月頃まで
越冬の状態幼虫で越冬
食草ヒメノガリヤスなどのイネ科の植物
亜種名義タイプ亜種、本州亜種、四国亜種

ツマジロウラジャノメは、その名の通り。翅の端に白い模様があるジャノメチョウです。本州以外にも北海道や四国に生息していて、北海道産は名義タイプ亜種、本州産は本州亜種、四国産は四国亜種とされており、北海道に生息する名義タイプ亜種はエゾツマジロウラジャノメと呼ばれることもあります。寒冷地の個体は暖地の個体と比べて小型になる傾向があります。

キバネセセリ

※現在情報整理中

ヘリグロチャバネセセリ

※現在情報整理中

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絶滅が危惧される種の紹介ページ

紹介サイト参考としたレッドリスト
全国の絶滅危惧種の蝶環境省レッドリスト2020
東京都の絶滅危惧種の蝶東京都レッドリスト2020

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