蝶の観察記録を日記形式で連載していきたいと考えています。記念すべき第1回の今回は、千葉県の房総半島にある鴨川市の清澄山にルーミスシジミというチョウを探しに出掛けたいと思います。
なお、このシリーズ(チョウを探す旅日記)は、チョウの観察だけを目的とはしていません!以下をコンセプトにして今後も連載を続けていきたいと思います!
観察日記のコンセプト
- チョウの観察に主眼を置きつつ、近くの観光スポットも楽しむ。
- グルメも楽しむ
ルーミスシジミの紹介

| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 生息環境 | 平地、山地 |
| 発生回数 | 年1回 |
| 成虫が見られる時期 | 周年 |
| 越冬の状態 | 成虫で越冬 |
| 食草 | イチイガシ・ウラジロガシなど |
| 亜種 | なし |
1877年に千葉県君津市の鹿野山でアメリカの宣教師ヘンリー・ルーミス氏が発見したことからルーミスシジミと名付けられました。年に1回、4~5月頃に産卵し、6~7月頃に成虫に羽化をします。越冬は成虫で行い、カシ類の葉の上などで複数個体で越冬する姿がよく見られます。よく似た主としてムラサキシジミとムラサキツバメがいますが、これら2種と比較してルーミスシジミは分布が非常に局地的で、観察する機会が少ない蝶です。
出発地と当日の状況
千葉県鴨川市葉房総半島の南端に近い場所に位置しており、自宅を夜中に出発してまずは出発の拠点とした「道の駅 木更津うまくたの里」に向かいます。
夜中に出発したため道路は空いていて順調に進み、午前6時頃には道の駅に到着しました。道の駅には下の写真のように、千葉の名産であるピーナッツの巨大サンプルが飾ってありました。

道の駅 木更津うまくたの里の紹介
- 木更津市”初”の道の駅で平成29年10月にオープン。
- 体験型テーマパークで地元名産品が多数。
道の駅から清澄山までは順調に行けば1時間程度で到着するので、道の駅で休憩をしても8時前には清澄山に到着できそうです。天候は晴天で、初のルーミスシジミの観察に期待が持てます。
ただし、1点だけ大きな懸念点がありました。それは前日の夜に台風が千葉県付近を通過したことです。この台風により大雨が千葉県内で観測されたため、道路の状態が非常に気がかりです。道の駅においても、台風によりトイレが使用停止となっていました。

しかしながら、この日を逃すと次に千葉県にルーミスシジミを探しに行く機会はかなり先になりそうでしたので、まずは清澄山に向かってみることにします。道路の状態によっては無理せず中止判断もしっかりしたいと思います。
台風の影響による道路の通行止め
道の駅を6:30頃に出発して車を走らせていると、前日の夜の台風の影響により、所々土砂が道路に流入していました。それでも車の走行は可能でしたので、清澄山に向けて車を走らせていました。
しかし、清澄山まで残り数キロのところで遂に道路が通行止めとなってしまいました。通行止めの看板が倒れていましたが、通行止めであることは疑いの余地がありません。無理をして突っ込むのは非常に危険なので、別ルートを探すことにします。

その後、別ルートを検討して車を走らせるも、結局別ルートも通行止めとなっている状態を繰り返し、道の駅を出発してから1時間程度ですでに心が折れそうになりました。道の駅から直接南に向かうルートは全滅で清澄山まで行くことは不可能でしたので、方針を変更し、東側のルートで大多喜を経由して行ってみることにしました。このルートが通行止めで不可の場合は撤退も覚悟しましたが、結果としてはこのルートが上手くいき、目的地である清澄山に無事に到着することができました。

しかし、時間をもうすでに10:30頃になっていました。当初の予定では8時頃には清澄山に到着している予定でしたので、それと比較すると大幅に時間をオーバーしています。急いでルーミスシジミの生息していそうな場所を探さなければいけません。
清澄寺と清澄の大スギ
清澄山(きよすみやま)には清澄寺(せいちょうじ)という立派なお寺がありました。清澄寺の概要については私は知識が一切ないためホームページより引用させていただきます。
- 千光山清澄寺はおよそ1200年の昔、”不思議法師”と名付けられた僧侶が千光を発する柏の木で虚空蔵菩薩の仏像を彫り、その仏像の前で21日間修行をしたことに始まります。
- 承和3年(836)、天台宗比叡山延暦寺の中興の祖慈覚大師円仁師がこの地を訪れ、その仏像の前で21日間の修行をしました。それ以来、当山は天台宗のお寺となり次第に栄えていきました。
- ところが、室町~江戸期には度重なる火災と戦により衰退と復興を繰り返します。
- 大正期に入り日蓮聖人の銅像が完成したことでお参りの信者さんが増え、真言宗智山派と日蓮宗との間で改宗の話し合いがもたれました。
- そして昭和24年、当山は日蓮宗に改宗し宗門直轄の大本山として現在に至ります。
出典:清澄寺HP(http://www.seichoji.com/ryakuenki.html)

なによりも目を引いたのが「清澄の大杉」でした。説明文によると、正確な樹齢は不明とのことですが、千年杉と呼ばれており1千年を超える歴史を物語る霊木とされているようです。

ルーミスシジミの観察の結果
ルーミスシジミがいそうな林道を探しました。ルーミスシジミを探すことに集中していたため、環境の写真を撮影することを失念してしまいました。。。
ルーミスシジミは日中帯に飛翔し、沢などの涼しい場所に降りてきて吸水することが多いという事前情報を得ていたため、沢がある場所を中心に捜索を進めます。その時、1頭の見知らぬ蝶が飛んでいるのを発見しました。ルリシジミより大きい一方でウラギンシジミよりは小さく飛び方もウラギンシジミよりは緩やかです。また、ムラサキシジミやムラサキツバメよりは白っぽい印象を受け、バイアスがかかっているかもしれませんが自分の中ではこの飛翔している個体は”ルーミスシジミ1択”でした。
しかし、残念ながらこの個体は止まることなく遠くへ飛んで行ってしまい、写真に残すことはできませんでした。その後も2回程、同じように飛翔する個体を確認しましたが、どちらも同様に遠くへ飛んで行ってしまいました。
数時間粘りましたが、徐々に天気が悪化し、飛翔する個体も観察できなくなったため、残念ながらこの日は撤収することにしました。
この日に観察したチョウたち

最初に観察したチョウはカラスアゲハでした。この時期は彼岸花が開花しており、彼岸花を蜜を吸うアゲハチョウ科のチョウが例年よく見られます。翅は少し傷んでいましたが、青色に輝く美しいカラスアゲハが観察できました。以下の記事でカラスアゲハの詳細な解説をしていますので是非ご覧ください。


しばらく観察していると、ナガサキアゲハも3頭観察できました。翅がかなり傷んでいますが、翅のつけ根の赤い模様でナガサキアゲハとわかります。非常に分かり難い写真ですが、左の個体がメス、右の個体がオスのナガサキアゲハです。ゆっくりと彼岸花の蜜を吸っていました。以下の記事でナガサキアゲハの詳細な解説をしていますので是非ご覧ください。


ナガサキアゲハに混ざってモンキアゲハも飛んできました。夏型のモンキアゲハとナガサキアゲハは日本で最大級の大きさを誇るチョウで、この場所にナガサキアゲハが3頭とモンキアゲハが1頭飛翔しており、インパクトのある光景でした。以下の記事でモンキアゲハの詳細な解説をしていますので是非ご覧ください。

疲れを癒す締めのラーメン

この日は残念ながら目的であったルーミスシジミを観察することはできませんでした。さらに、第1回目の今回は、道路通行止めのトラブルやルーミスシジミの捜索に時間がかかったため、観光もあまりできませんでした。。。
ですが、個人的にはこれこそがチョウの楽しさだと思っています。
目的地で必ず見つかるものであれば、その楽しさは半減してしまいます。事前にチョウの生態についてしっかりと下調べをしても、出会えるかどうかはその時の運次第だからこそ、出会えた時の喜びが大きくなるのだと思います。
この日は締めのラーメンを食べて”よい1日だった”と振り返り、また次に向けて準備をしていきます!次は絶対に観察したいと思いますので、引き続きよろしくお願いします!


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