【蝶の幼虫の種類とエサ・食草一覧】黒や緑の幼虫は?ツノはある?画像付きで解説!

蝶の幼虫・蛹
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蝶は完全変態昆虫と呼ばれ、成長の過程で姿形を大きく変えていきます。卵から孵化した幼虫は脱皮を繰り返して成長し、蛹になり、最終的に成虫となります。幼虫と成虫で姿形が全く異なるため、完全変態昆虫と呼ばれます

蝶の成虫は花の蜜などをエサとしますが、幼虫の多くは植物を食べて成長します。ゴイシシジミのように、肉食の幼虫もいますが、ほぼ全ての蝶の幼虫は植物を食べます。

幼虫が肉食のゴイシシジミ

そのため、蝶の事を深く理解するためには、植物との関係を知っておく必要があります。この記事では、蝶の幼虫のエサや幼虫の種類、見た目の違いなどについて紹介・解説をします。

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蝶の幼虫のエサ(食草)

蝶は植物と密接に関わり合いながら生きています。世の中には多種多様な昆虫が生息しており、同様に多種多様な植物が生息しています。そして、植物の多様性は、それを食べる昆虫の多様性と関連しています。

代表的な蝶の幼虫のエサ(食草)一覧

蝶の幼虫が食べるエサは、蝶の種類によって異なります。主に本州で比較的身近な場所に生息する蝶の幼虫のエサを一覧で紹介します。

蝶の種類エサ(食草)
ジャコウアゲハウマノスズクサ科
ウスバシロチョウケマンソウ科
クロアゲハ
ナガサキアゲハ
アゲハ
カラスアゲハ
ミカン科
キアゲハセリ科
アオスジアゲハクスノキ科
キタキチョウ
モンキチョウ
ウラギンシジミ
ウラナミシジミ
ルリシジミ
ツバメシジミ
コミスジ
マメ科
モンシロチョウ
スジグロシロチョウ
ツマキチョウ
アブラナ科
ムラサキシジミ
ムラサキツバメ
ブナ科
ベニシジミタデ科
ヤマトシジミカタバミ科
ツマグロヒョウモンスミレ科
キタテハ
アカタテハ
ヒメアカタテハ
イラクサ科
ルリタテハユリ科
ヒメウラナミジャノメ
イチモンジセセリ
チャバネセセリ
イネ科
ダイミョウセセリヤマノイモ科

面白い事例①:毒を克服したジャコウアゲハの事例

例えば、ジャコウアゲハという蝶の幼虫は、ウマノスズクサという植物の葉を食べて成長します。

ジャコウアゲハの写真

ウマノスズクサは毒のある植物で、人間は食べることができません。しかしながら、ジャコウアゲハはこの毒が効かないことに加えて、毒を体内に取り込み、天敵である鳥に対する自衛策としています。

植物は昆虫などに対する防御物質、つまり毒を持つことで、食べられないようにしていますが、ジャコウアゲハのようにその毒を克服した昆虫が現れると植物は為す術が無くなります。

面白い事例②:寄生蜂をおびき寄せるアブラナ科の植物の例

モンシロチョウの写真

モンシロチョウの幼虫は、キャベツなどのアブラナ科の植物を食べて成長します。アブラナ科の植物は、多くの昆虫にとって有毒ですが、モンシロチョウの幼虫はこの毒を克服し、栄養源として成長することができます。

モンシロチョウの幼虫の天敵は寄生蜂です。寄生蜂はモンシロチョウの幼虫に寄生し、幼虫を殺してしまいます。

寄生されたモンシロチョウの幼虫

アブラナ科の植物は、モンシロチョウの幼虫に葉を食べられると、この寄生蜂をおびき寄せる物質を出すことが知られています。この様にして、アブラナ科の植物はモンシロチョウの幼虫に対する防衛をしています。

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蝶の幼虫のツノ(臭角)

アゲハチョウ科の蝶の幼虫の多くは外敵から身を守るための手段として、ツノ(臭角)を持っています。ツノは種類によって色が異なります。例えばアゲハチョウは黄色のツノを持っていますが、クロアゲハは赤紫色のツノを持っています。

アゲハチョウ科の蝶のツノ

幼虫に刺激を与えると、体を反らしてツノを出します。ツノを出した時の分泌物には、外敵に対して忌避作用を持つ成分が含まれており、これにより外敵から身を守ります。

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蝶の幼虫の代表的な種類を画像付きで紹介

蝶の幼虫の種類をいくつか紹介します。蝶の幼虫の育て方については、以下の記事でまとめていますので、興味のある方はこちらの記事も併せてご覧ください。

アゲハチョウ科の蝶の幼虫(黒や緑の幼虫)

アゲハチョウ科の蝶の代表例として、アゲハチョウ・キアゲハ・クロアゲハ・カラスアゲハの幼虫を紹介します。

この4種の蝶は、4回脱皮をした後に蛹になります。卵から孵化したばかりの幼虫を1齢幼虫と呼び、1回脱皮をした幼虫を2齢幼虫と呼びます。そして、4回目の脱皮をした幼虫を5齢幼虫(終齢幼虫)と呼びます。

1齢幼虫は黒と白の色で、鳥の糞に擬態した模様をしています。

アゲハチョウ科の蝶の幼虫(1齢~4齢幼虫)

そして、5齢幼虫(終齢)幼虫になると色が変化し、緑色の幼虫になります。

アゲハの幼虫の見分け方
アゲハチョウ科の蝶の幼虫(5齢幼虫)

アゲハの幼虫は種類によってエサが異なります。幼虫のエサは下表の通りです。アゲハチョウやクロアゲハ、カラスアゲハは全てミカン科の植物をエサとしますが、種によって食べる植物は異なります。アゲハチョウとクロアゲハはミカンやカラタチなどを食べますが、カラスアゲハはサンショウなどを食べます。

種類幼虫のエサ
アゲハチョウ(ナミアゲハ)ミカン科の植物(ミカンやヘンルーダ、カラタチなど)
クロアゲハミカン科の植物(ミカンやヘンルーダ、カラタチなど)
カラスアゲハミカン科の植物(サンショウやヘンルーダなど)
キアゲハセリ科の植物(パセリなど)

モンシロチョウの幼虫(緑の幼虫)

モンシロチョウの幼虫は緑色の模様をしています。青虫と呼ばれることもあります。

モンシロチョウの幼虫

モンシロチョウの幼虫はキャベツなどのアブラナ科の植物を食べて成長します。前述の通り、アブラナ科の植物は、モンシロチョウの幼虫に食べられると寄生蜂をおびき寄せる物質を出すため、モンシロチョウの幼虫はよく寄生されます。野外にいるモンシロチョウの幼虫の多くは寄生されています。

モンキチョウの幼虫(緑の幼虫)

モンキチョウの幼虫もモンシロチョウの幼虫と同様に緑色をしています。

モンキチョウの幼虫

モンシロチョウの幼虫はアブラナ科の植物を食べますが、モンキチョウの幼虫はシロツメクサやコマツナギなどのマメ科の植物を食べて成長します。見た目はモンシロチョウの幼虫と似ていますが、エサを見分けることで、モンシロチョウの幼虫と区別することができます。

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