クワガタ羽化後の後食と交尾・産卵を始める時期～餌を食べない理由は？～

クワガタを飼育していると、全くエサを食べてくれないことがあります。「弱っているのかな？」「何か病気になっているのかな？」と心配になると思います。

結論から言うと、クワガタは羽化直後はエサを全く食べませんし、交尾や産卵もしません。理由は羽化直後のクワガタはまだ体が出来上がっていないからです。

この記事では、クワガタの羽化後にエサを食べ始める時期と交尾を始める時期を解説します。

クワガタが餌を食べ始める時期

クワガタは羽化した直後は全くエサを食べません。羽化直後のクワガタは体（消化器官）がまだ十分に出来上がっていないからです。野生のクワガタは、蛹から成虫に羽化してから、一定期間は蛹室でじっと（休眠）していて活動を始めません。その間に体が出来上がってエサを食べられるようになります。

人工飼育している場合は、成虫になってすぐに掘り出すことがよくあります。そうすると、活動はしているけどエサは食べないという期間が発生します。

クワガタが初めてエサを食べることを「後食（こうしょく）」と言います。クワガタの消化器官が出来上がった証拠です。主なクワガタの後食までの期間は以下の通りです。これはあくまでも目安で、飼育温度などでも前後しますのでご注意下さい。

後食までの期間は、個体によりかなりの幅があります。羽化後１か月の場合もあれば３ヵ月の場合もあります。いつエサを食べ始めるか分かりませんので、エサを食べなくても昆虫ゼリーは入れておくようにしましょう。

クワガタが交尾・産卵を始める時期

羽化したクワガタは１～３ヵ月程度でエサを食べ始めます。一方で、この時期はまだ交尾や産卵をすることはできません。理由は、この時期でもまだ体（生殖器）が出来上がっていないからです。

羽化した後にエサを食べ始めるタイミングで消化器官が成熟し、その後生殖器が成熟して交尾や産卵をし始めます。交尾や産卵をし始めることを「性成熟」と言います。多くの場合は後食の後、３～４ヵ月程度で性成熟します。

クワガタは性成熟すると動き回って交尾の相手を探します。そのため、性成熟しているかどうかは以下で見分けることができます。

人工飼育をしていて、例えば６月頃に羽化したコクワガタの場合、後食を始めるのが７月頃で、交尾・産卵をし始めるのは９月頃になります。そこから産卵をさせると小さい幼虫の状態で越冬をさせることになり、寒い冬を越えられない個体が発生するおそれがあります。

そのため、越冬する種であるコクワガタやオオクワガタなどは、羽化した年は産卵させず、翌年に産卵をさせるのがオススメです。

野生で捕まえたクワガタは成熟している？

野生で捕まえたクワガタは、いつ羽化したのかわからないため、性成熟しているのか判断ができないと思います。野生の個体が性成熟しているかどうか、どの様に判断したら良いのでしょうか？

なぜなら、野生で活発に活動しているクワガタは、羽化してから一定期間が経過していて交尾相手を探している可能性が多いためです。さらに言うと、野生のクワガタのメスの８割は交尾済みと言われています。そのため、野生のクワガタのメスはそのまま産卵セットに入れると産卵してくれる可能性が十分にあります。

ホームセンターで購入したクワガタが産卵しない理由

こういった悩みを抱えている人も多いと思います。

専門のクワガタショップで購入したクワガタであれば羽化時期が基本的に書いてありますが、ホームセンターで購入したクワガタはいつ羽化したのか記載されていないことが多くあります。そのため、ホームセンターのクワガタは性成熟しているのかが分かりません。

ホームセンターで売られているクワガタは、羽化直後の個体である可能性が十分にあります。例えばオオクワガタは、６月頃に羽化した個体であると、その年は産卵することが基本的にできません。そのため、ある程度飼育をして産卵をしなければ、越冬をさせて翌年に春に改めて産卵をさせてみて下さい。