キタテハ～珍しい？生態写真や見分け方、生息地、食草、越冬、亜種などを解説～

タテハチョウ科

2022.09.042022.10.10

キタテハは北海道から九州まで広く分布し、都市近郊でも普通に見られる蝶です。一方で北海道ではかつては普通に見られましたが、近年は記録がありません。シータテハやエルタテハ、ヒオドシチョウと見た目がよく似るため、同定には注意が必要です。

この記事では、これまでに観察したキタテハの写真を紹介します。

キタテハの紹介

キタテハは１年に３～５回発生し、成虫で越冬するため、ほぼ１年中成虫が見られる蝶です。分布は北海道から九州まで広いのですが、北海道では減少が著しく近年は記録がありません。北海道以外の地域では普通に見られ、東京都心でも普通に生息しています。

季節型がはっきりしている種であり、夏に発生する夏型と、秋に発生する秋型で模様が異なり、秋型は翅の切れ込みが大きく赤みが強い色になります。

成虫は花の蜜や樹液、腐った果物の汁をよく吸います。

キタテハは、シータテハやエルタテハ、ヒオドシチョウと見た目が似ており、特にシータテハに似るため同定には注意が必要です。

キタテハは見た目が近縁種であるシータテハやエルタテハ、ヒオドシチョウと似ます。ここでは、キタテハの見分け方を紹介します。

キタテハを見分けるポイントは２点あります。

１点目は、後翅の裏面の白斑がキタテハはC字かL字型になります。これが、シータテハはC字形、エルタテハはL字形になります。

２点目は後翅の外縁の尾状突起部が尖ります。これがシータテハやエルタテハ、ヒオドシチョウは丸まります。

見分け方についての詳細は以下の記事をご覧ください。

福島県猪苗代町で見つけたキタテハです。キタテハの翅の裏側は枯葉のような模様をしており、背景に溶け込みます。この個体は赤みが弱い個体であり夏型であることが分かります。

群馬県長野原町で観察したキタテハです。キタテハは花の蜜や樹液などに集まります。

茨城県にある筑波山で観察したキタテハです。キタテハは成虫で越冬します。この個体は越冬した秋型の個体で、暖かくなってきたことから冬眠から目覚めた個体です。暖かい日であれば、冬でもキタテハを観察できます。秋型は夏型に比べて赤みが強い特徴があります。

茨城県土浦市で観察した秋型のキタテハです。タンポポの蜜を吸っています。翅が痛んでいることから、１年前の秋に産まれて越冬した個体と考えられます。

埼玉県さいたま市で観察したキタテハです。地面に止まって飛んで、また止まるという行動を繰り返していました。この個体は赤みが弱い個体であり夏型であることが分かります。

キタテハは東京都内にも普通に生息しています。この個体は東京都文京区の小石川植物園で観察した個体です。この個体は赤みが強いため、秋型の個体です。

愛知県日進市で観察したキタテハです。キタテハの翅の裏側は枯葉の模様をしているため、葉っぱの上に止まると背景に溶け込みます。これは、枯葉に擬態することにより、天敵である鳥から身を守っていると考えられます。

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