アカボシゴマダラ

タテハチョウ科

関東に住んでいる人にとって、アカボシゴマダラは最も身近な蝶の1種です。ですが、このアカボシゴマダラは昔から関東に生息していた蝶ではありません。関東に生息しているアカボシゴマダラは、人為的に持ち込まれた外来種であり、原産地は中国大陸とされています。

この記事では、これまでに観察したアカボシゴマダラの写真を紹介します。

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アカボシゴマダラの紹介

2016年9月25日に東京都練馬区で観察したアカボシゴマダラ夏型
分布奄美大島周辺(在来種)、関東周辺(外来種)
生息環境農地や民家、低山地など
発生回数関東では年3回
成虫が見られる時期3月頃から11月頃まで
越冬の状態幼虫で越冬
食草クワノハエノキ、エノキなどのニレ科
亜種名義タイプ亜種(関東)、奄美亜種

関東に住んでいる人にとって、アカボシゴマダラは最も身近な蝶の1種です。ですが、このアカボシゴマダラは昔から関東に生息していた蝶ではありません。関東に生息しているアカボシゴマダラは、人為的に持ち込まれた外来種であり、原産地は中国大陸とされています。

1995年に埼玉県で、1998年に神奈川県で発見されて以降、分布を広げ、現在では南関東を中心に山梨などでも確認されています。現在は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づき「生態系被害防止外来種リスト」に指定されていて、採取等が禁止されています。

一方で、日本には元来、奄美大島に在来種のアカボシゴマダラが生息しています。個体数が少ないことから、環境省レッドリスト2020では準絶滅危惧(NT)に分類されています。

関東に生息する外来種のアカボシゴマダラは季節的変異(季節型)が顕著で、春型はアカボシゴマダラの特徴である赤紋が消失します。ここで紹介した写真では、一番上の写真が春型で、下の2枚が夏型です。一方で、奄美大島に生息するアカボシゴマダラは季節的変異はありません。

日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているアカボシゴマダラ

1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。ここに記載されているアカボシゴマダラを紹介します。

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

前種(ゴマダラチョウ)に酷似すれど後翅に赤色紋あるを以て区別す。翅は長く黒色を呈し蒼白色の紋數多あり。翅の基部にある紋は長く、或は方形なれども、外縁の二列の小紋は圓し。後翅の外縁に六個の赤色紋あり。中央の二紋は最大にして環状を呈し、肛角に近き二紋は小さくして中にある黒點微かなり。裏面は略表面に同じく、黒色部は褐色を帯ぶ。雌雄によりて色彩紋様異ることなし。琉球には普通にして高く樹間に飛ぶ。

●期節 七、八月

●産地 琉球

●仔虫食草等未詳

宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.

日本蝶類図説では「琉球には普通にして高く樹間に飛ぶ」と記載されています。アカボシゴマダラを沖縄県で最初に記録したのはFRITZEという人物で、1891年に頃には沖縄本島で稀ならざる種類であったと記録されています。これらのことから、1900年頃には沖縄県でアカボシゴマダラが普通に生息していたことが推測できます。

一方で、現在は沖縄県にはアカボシゴマダラは生息していません。1960年ごろの図鑑からも、アカボシゴマダラの生息地として沖縄が消されています。100年程前には沖縄に普通に生息していたと思われるアカボシゴマダラが現在は全く見られなくなったのは非常に興味深い問題です。

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アカボシゴマダラの写真集

2017年5月20日に東京都千代田区で観察したアカボシゴマダラ春型
2016年9月25日に東京都練馬区で観察したアカボシゴマダラ夏型
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